禁煙ブーム！喫煙者の減少が止まらない
日本たばこ産業は、2015年７月３０日、今年の国内の喫煙率は１９．９％で、２年連続で２割を下回ったと発表しました。男女別では、男性が３１．０％（前年比０．７ポイント増）、女性が９．６％（同０．２ポイント減）という結果でした。喫煙率のピークは、1966年の49.4％で、国民２人に１人が喫煙をしていましたが、現在では５人に１人まで減少しました。減少の原因として、増税に伴うたばこの値上げと、日本人の健康に対する意識が高まっていること、喫煙スペースの減少等が挙げられます。 筆者も一年前に禁煙外来を受診し、特に苦労することもなく一ヶ月程で禁煙をすることができました。たばこをやめようと思った理由は、禁煙の飲食店が増えている今の日本で、喫煙できるお店を意識して探すのが面倒になったことと、タバコの値上がりです。禁煙をしたくて、何度か挑戦をしてみたけれども、結局失敗をしてしまうという人は多くいらっしゃると思います。そのような方には、喫煙のデメリット、禁煙のメリットを知った上で、再挑戦をしていただければと思います。
■メリットしかない？禁煙のいいところ
・病気のリスクが減る
喫煙をすることによって数々の健康被害が表れます。重い病気として、口腔・喉頭・気管・気管支・肺・咽頭・食道・胃・肝臓・膵臓などのがんをはじめ、脳卒中・動脈硬化・大動脈瘤虚血性心疾患といった循環器疾患、喘息発作・慢性気管支炎・慢性閉塞性肺疾患といった呼吸器疾患、早産・死産・低出生体重などの妊娠への影響などが挙げられます。また、受動喫煙でも肺がんや妊娠への悪影響があると科学的に証明されていますので、喫煙は体にとって害でしかありません。禁煙をすることによって上記の病気のリスクを抑えることができるのです。
・肌がきれいになる
喫煙はお肌のビタミンを破壊します。喫煙顔という言葉があるように、喫煙をしている人はそうでない人に比べ、肌がくすんでいる、クマが目立つ、吹き出物が多い、唇の血色が悪いなどの肌トラブルが目立ちます。特に、女性にとって美肌は永遠の憧れですので、喫煙は容姿の劣化のためにしているようなものなのです。禁煙をすることによって、数日で肌状態が良くなるのが見えてくるはずです。
・歯がきれいになる、口臭が減る
たばこを吸い続けると、歯が黄ばみ、歯茎が黒くなってしまいます。たばこを吸うことで、たばこの成分であるニコチンやタールが歯茎を作る細胞を刺激して、メラニン色素が歯茎に沈着し歯茎が黒くなってしまうのです。また、煙に含まれる有害成分が血管を収縮させるために血流が悪くなります。そのため、歯茎に十分な栄養が届かず、抵抗力が下がり歯周病にかかりやすくなるのです。禁煙によって口内環境が正常化されます。
・食べ物がおいしくなる
これは禁煙のメリットとして非常に有名なことだと思います。喫煙は人間の味覚を狂わせると言われています。禁煙によって、食事がおいしく感じられるようになり、毎日の食事が楽しみになります。また、喫煙席のあるお店を意識して探さないといけないということもなくなりますので、行きたい飲食店に気軽に行くことができます。
・ストレスが減る
ストレス解消のためにたばこを吸っている方は多くいらっしゃると思いますが、実はそれは大きな間違いなのです。喫煙者はニコチンの成分が切れてくるとイライラします。そのイライラを解消するためにたばこを吸っているだけなのです。たばこを吸うとその場はすっきりしますが、長い目で見ると禁煙をすることが一番体をすっきりさせることだと分かっていただけると思います。
・部屋がきれいになる
たばこのヤニは壁や窓ガラスなどに付着し、黄ばませます。長期間放置しておくとベタベタな状態になり、なかなか汚れが落ちません。掃除をしても吸い続ける限り部屋は汚れますので、部屋を綺麗にするには禁煙をし、壁紙を張り替えるのが一番手っ取り早いです。壁紙に染みついたたばこの匂いも解消されます。
■おすすめ禁煙方法
・禁煙外来
現在、健康保険等を使って禁煙治療を受けられるようになっています。禁煙治療は、自己負担割合が３割だとすると、８～12週間で13000円～20000円程度です。ＣＭにもなっていましたが、一日１箱たばこを吸う人であれば、禁煙外来を受診しにいくほうが断然安い計算になります。初診では呼気に含まれる一酸化炭素濃度を測定したり、禁煙に関するアドバイスを受けたりします。そして飲み薬を処方されますので、それを毎日飲み続けるだけの簡単な治療法です。この治療法での禁煙成功率は78.5％と発表されており、非常に高い禁煙成功率を誇っています。この方法が他の禁煙法と違う点として、『禁煙を初めて数日は普段通りたばこを吸っていい』ということが挙げられます。タバコを辞められない原因として、ニコチンなどの成分以外にもタバコを吸う動作が癖づいてしまっていることがありますので、その動作を制限することによるイライラがなくなることは非常に大きいことです。 筆者もこの方法で嘘のように簡単にたばこをやめることができました。本気でやめたいと思っている方は一度お医者さんにご相談をされてはいかがでしょうか。
・ニコチンパッチ
自力での禁煙に何度も失敗をしている人にはおすすめです。ニコチンの禁断症状を抑えながら禁煙をすることができます。体にパッチを貼ることで、体内にニコチンが補給できるようになっており、たばこの禁断症状に苦しめられることはありません。
・ニコチンガム
現在、禁煙をサポートする商品は様々なものが発売されていますが、その中でもニコチンガムは手軽に購入できるものとして人気です。ニコチンを補給することによって、イライラしたり頭がぼんやりしたりするのを防ぎます。しかしたばこを吸う習慣は我慢をしないといけませんので、そこは少なからず努力が必要です。
■これから禁煙を考えているみなさまへ
たばこを吸うきっかけは人それぞれで、『先輩が吸っていてかっこよかったから』『周りがみんな吸っているから』『ストレスを解消させるために始めてみた』などが主な理由ではないでしょうか。美容業界や飲食業界、そして夜のお仕事をする人は喫煙率が高いと言われていますし、会社内に喫煙所が設けられている職場なら、喫煙所での上司との交流が昇進に関わってくるなんてこともあります。ですから、環境によって逆にやめたくてもやめられないということもあるのではないでしょうか。そもそも喫煙は合法であり、絶対にやめないといけないということはありません。ただ、吸い続けるメリットよりも、やめた後のメリットの方が非常に多いことは断言できます。これからもどんどんと減っていくと予想される喫煙者の数ですが、少しでも禁煙に興味がありましたら、上記の方法を一度試してみるのもいいかもしれません。
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