意外と知らない、間違って使っている敬語
日本語は、世界の言葉の中でも難しい言語と言われています。
敬語だけでも、丁寧語、尊敬語、謙譲語に別れており、
日本語を完全に使いこなすのは、
他国語をつかいこなすのと同じくらい難しいのではないでしょうか。
日本人は『おもてなし』の心を持っており、
日本のサービス業は『世界一の接客』だと言われています。
お客様あっての商売ですので、
お客様には丁寧な言葉を使って会話をするように心がけますが、
現在の日本では間違った日本語が頻繁に使われています。
今回は、
間違って使われている代表的な敬語についてご説明をさせていただきます。
■よく間違って使っている敬語
①よろしかったですか
正しくは『よろしいですか』です。あまりにも間違っている人が多すぎて、
何の違和感も感じなくなっている『よろしかったですか』という表現。
ファストフードやコンビニなどで使われていることが多いため、
バイト敬語などと言われています。
その言い回しのおかしな点は、過去形になっているところでしょう。
・ご注文は以上でよろしかったですか。
まだ確認していないものに対して、
過去形を使うのは非常に違和感のあることです。
この文章の場合、
お客様が注文したものが正しいかを確認しているのですが、
今聞いた注文を今確認しているにも関わらず、
それを過去形にしてしまうことは、
『聞く前から知ってましたよ』と言っているようなものなのです。
この場合は、『ご注文は以上でよろしいですか』が正しい日本語です。
② ~ほう
こちらも間違った敬語としてよく使われています。
敬語を使う際、物体・物質・人物・場所などの名詞に
『~ほう』をつける人は非常に多いです。
これは間違った日本語であり、
つける必要のない場合がほとんどです。
・お水のほうをお持ちします。
・私のほうで担当いたします。
これらの文章に『~ほう』は全く必要ありません。
『お水をお持ちします』『私が担当いたします』でいいのです。
『~ほう』をつけることによって、
文章が柔らかくなる感じがするということで、
頻繁に『~ほう』を使う人は多くいますが、
そもそも選択肢があったり、
方角を指しているわけではありませんので、
『~ほう』とつけるのは不自然なのです。
多用しすぎるとくどく聞こえてしまいますので、
使わないように注意をしましょう。
似たような間違いとして『~から』があります。
よくコンビニなどで、『2000円からお預かりします』
という言い回しをよく耳にしますが、
『2000円をお預かりします』が正しい言い回しです。
③了解しました
正しくは『かしこまりました』『承知いたしました』です。
『了解しました』には、
従順な部下が敬意を込めて返事をしているというイメージを持たれることがありますが、
実際は、非常にフランクな言葉遣いであり、
目上の方に使うのは失礼極まりないのです。
『了解』には、尊敬の意味が全く含まれていないということを覚えておきましょう。
④なるほどですね
『おっしゃる通りです』が正しい日本語です。
『なるほどですね』は『なるほど、そうですね』の短縮した言い方ですが、
そのような表現は目上の人に使ってはいけません。
そもそも『なるほど』という表現は目下の人に対して使う言葉なのです。
⑤お客様がおっしゃられる通りです
正しくは『お客様がおっしゃる通りです』となります。
『言う』の尊敬語は『おっしゃる』で正しいのですが、
それに尊敬の助動詞である『られる』をつけてしまうと、
『二重敬語』となってしまいます。
同様に『お~なる』という尊敬の表現に『れる・られる』
などの尊敬の助動詞をつけてしまうのも二重敬語になります。
×お帰りになられる⇒○お帰りになる
×お越しになられる⇒○お越しになる
⑥とんでもございません
正しくは『とんでもないです』となります。『とんでもない』が一つの言葉であり、
その中の『ない』を『ございません』に置き換えるのは非常に不自然なことなのです。
とんでもないは形容詞であり、
上記の誤った使い方を他の言葉でしてみると、
『汚いです(きたない)』を『きたございません』と言っているようなものなのです。
『とんでもございません』は誤った表現ですので、
シンプルに『とんでもないです』と言うようにしましょう。
何か物足りないと感じるのであれば、
『とんでもないことです』であれば正しい日本語です。
■最後に
上記の内容は、
よく使われている間違った表現であり、全体のほんの一部に過ぎません。
日本語のプロであるアナウンサーでさえも、
間違った日本語表現をすることは多々あるのです。
間違った敬語を使うことによって、
お客様や上司の機嫌を損ねてしまうことはあまりないかもしれませんが、
特に年配の方や、敬語に関して正しく教育を受けている方には、
不愉快な思いをさせてしまうこともあるでしょう。
あまりにも間違った敬語が使われすぎている環境ですから、
その中できっちりと敬語を使えることは、
他の人との差別化に繋がり、高評価を受けることもあるでしょう。
自身の母国語は正しく美しく使っていきたいものですね。
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優良サイト【見えラボ】より抜粋
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